ライブ写真を撮り続けている私の使用カメラ遍歴

ライブ写真を撮り続けている私の使用カメラ遍歴

仕事

こんにちは、岡安です。(@itsumiokayasu

昔からライブ写真を、今では仕事として結婚式やイベント撮影などをしている私が、自分の機材について書いてみようと思ったというシンプルな記事です。

使う機材の正解って人によって様々だとは思うのですが、私がこの5年ライブを撮り続けてきて感じた実体験の部分は共有できると思ってこの記事を作り始めた次第です。『ライブ撮りたいけど、どんな機材から買ったらいいの?』って思っている方には、このレベルの機材を買ったらこうなる、という部分での参考にしていただければ本望です。ですので、この記事の主軸も『ライブ写真で使うカメラ』に絞らせてもらいました。

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前提の話

私は写真を始めた頃、ライブばっかり撮影をしていました。今までの撮影現場で言えば、ライブが一番多いと言い切れます。そんな私ですので、主に『暗い場所での撮影』『動きの激しい被写体』を撮影することを想定した購入遍歴となりますので、あらかじめご了承いただければと思います。

※使用感などは個人的な感想です。あたたかく見守っていただければ幸いです!

はじめて手にした一眼レフカメラ:NikonD3000

Nikon デジタル一眼レフカメラ D3000 レンズキット D3000LK

  • 機材:NikonD3000(標準レンズキット)新品
  • 購入価格:約3万円
  • 使用期間:2011年3月〜2014年7月

型落ち直前のNikonD3000。今中古で2万円と出てますが、私は新品を標準レンズキットで3万円で購入しました。昔アンテナとかでも書いたのですが、このカメラは必要にかられて買ったもの。

なんでNikonD3000だったのか?

大学生だったので、そこまで予算もなく、3万でも買うのにすごく勇気を振り絞ったこと、買った帰り電車でNikonの箱を眺めながらドキドキしたことをよく覚えています。高価なものだし、すごいものを手に入れた感覚がありました。

NikonD3000を選んだ理由としては

  • とりあえず一眼が欲しい
  • 一眼といえばNikonかCanonだけど、Nikonのがシャッター音が好き
  • Nikonの一眼の中で当時一番安かった

という、かなり中身のない理由で選んでいます。

一眼買えばいい写真が必然的に撮れるだろう、と根拠もないことをぼんやり思っていたのですが、全然そんなことなくて愕然としたことも覚えています。調べて撮っても手応えがまるでなく、始めたばっかりの頃は絶望してたなあ……。

NikonD3000の使用用途

当時はライターをしていたのでカメラの使用用途は取材用でした。ライブなら会場の雰囲気、インタビューものなら取材カットなど。基本的には「どうしても自分一人しか現場に行けない場合」のみカメラを使用していました。稼働率は3ヶ月に一回くらい。買ったばっかりのことは全然使ってなかったんです。買ってから2年後くらいに京都に来て、アンテナをはじめて、そこで写真が必要になったので、がつがつ写真を撮り始めた……という感じです。

NikonD3000ライブ写真の作例

編集とか全くしていなかったのと、データ管理もほぼしていなかったのでSXSW2011の撮って出しデータしかないのですが、作例はこちらです。

街撮りとかはもちろんフルオートで問題なし。

カメラの機能をわからないまま写真を撮ってたので、ライブは無残なものでした……。

外で撮ればなんとか。しかし、これも前のおっちゃんがいなければいい写真だったのに!ってことには、帰宅後PC画面で見てやっと理解できたってレベルで、なんも考えずに撮ってた時期でした。ライブ写真へのトラウマは2011年にここで生まれ、それからしばらくライブ写真は撮らずに過ごしていました。

NikonD3000を使った所感:暗がりに弱い

D3000はISOの設定値が100~1600という幅だったので、暗がりに強いと言えるカメラではありませんでした。ライブハウスは暗い会場が多いです。LEDの照明機器は目で見ている以上に暗いため、思っているよりカメラを通すと暗く映ります。ISOを最大の1600にしても、当時はF3.5〜5.6のレンズしか持っていなかったこともあり思うように写真が撮れませんでした。

もちろん光がたっぷりある晴れた日の外や、激しい動的被写体を撮らない場合、単焦点などの明るいレンズを付けることでエントリー機でもライブは撮れるかと思いますが、会場によっては思い通りにならないことが多いのでは、と個人的には思います。

2番目に買ったカメラ:NikonD7000

Nikon デジタル一眼レフカメラ D7000 ボディー

  • 機材:NikonD7000(ボディ)中古
  • 購入価格:約6万
  • 使用期間:2014年8月〜2018年3月

エントリー機ではライブ撮影がしんどいことに気が付いて見繕った中級機モデル・D7000。買った当日に「こんな写真が撮りたかったんだ……!」と思える写真が撮れて、そこから写真にのめり込んだ感覚はよく覚えています。その写真がこちら。

https://kyoto-antenna.com/wp-content/uploads/2014/10/34.jpg

中級機の一番下の機材から買うと、初めから手応えあって楽しいライブ写真生活が送れるのではないか、と私は思っています。

自分で感じた手応えはもちろんなんですが、このライブを境にアーティストさんに褒めてもらえるように。ちょっと背伸びして機材を買うことの大切さをこの時に知りました。

Nikon:2021年8月現在でミドルクラスの一番下の機種はD7500

kakaku.com

Canon:2021年8月現在でミドルクラスの一番下の機種は90D

kakaku.com

なんでNikonD7000だったのか?

フルサイズを買うほどの予算がなかったので、中古で10万以下で買えるミドルクラスにしようと考えていました。2010年発売の機種、私が買った頃は6万円ほどと記憶していますが、今見たら3.5万円くらいで買えますね、安い……。

D3000の感度の低さを日々体感していたので、最大ISO6400が使えるのも購入を後押ししてくれました。(余談ですが、ライブを撮るときにはISO3200〜最大でも4000くらいを使って撮っていました。今はあげてもISO3200程度です)

NikonD7000ライブ写真の作例

4年もの間私の撮影を支えてくれたD7000。この機体を買ったタイミングでSIGMA 標準ズームレンズ 17-50mm F2.8したのも後押しして、使用範囲がぐっと広がりました。

今使っているカメラ:NikonD750、NikonD810

Nikon デジタル一眼レフカメラ D750 24-85レンズキット AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR付属 D750LK24-85

  • 機材:NikonD750(ボディ)新品
  • 購入価格:15万円前後
  • 使用期間:2018年3月〜現在

Nikon D810 ボディ

  • 機材:D810(ボディ) 中古
  • 購入価格:10万円前後
  • 使用期間:2019年1月〜現在

自分のイメージするライブ写真を撮れるようになったのは、フルサイズを購入してからです。APSC機を使っている時は「うまく撮れないことを何で(レンズや設定など)カバーするか?」を常に考えていましたが、フルサイズにしてからは「どう撮るか」に集中できるようになったように思います。

なぜD750だったのか?

D750はNikonのフルサイズ機の中でも小ささと軽さを誇る機種です。手が小さく、握力腕力共にない私にとっては願ってもない機種でした。D750を選んだ理由はそこにつきます。今はD810をメインに撮影をしているのですが、やっぱり重い……と思うことが多いので、長時間撮影には軽い機種を選びたいという気持ちもあります。

Nikon D750ライブ写真の作例

D750で撮影
D750で撮影
D750で撮影 / 暗がりもいい感じに仕上がります

なぜD810だったのか?

身近にD810を使っているカメラマンさんがいて、その人の写真が好きだったからという理由で購入を決めたカメラでした。ここまでくるとスペックの差異が少なくなってくるので、欲しい気持ちで買う境地になってきます。他にも予算や画像サイズなども加味して購入を決めた次第です。

NikonD810ライブ写真の作例

D810で撮影
D810で撮影
D810で撮影
D810で撮影

中古機材購入については、立ち止まって考えたいときもある

フルサイズに移行してから写真を仕事にするようになったので、レンズを買い替えたのもこの時期。

Nikon 標準ズームレンズAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR フルサイズ対応

万能な24-70を中古で購入しました。

通販で状態がAのものを購入したのに、ピント精度がとても悪く修理に出すことに。「これでよく使えてたね」と言われるレベルの故障が見つかり、内部部品をほぼ取り替える修理をしました。(それでも新品を買うより安く上がりました)

ここまで購入機材を紹介してきて、私が新品で買った機材は本当に少ないです。ここまで何度か言及しているのですが、予算がない時期が長く続いていたこともあり、なかなか新品を買うことができなかったのも事実。

もちろん使用年数の低い中古を買えば、問題なく使える場合も多いですが、私の場合は何度かハズレを引いて、十万単位の修理を余儀なくされる事態に。予算がなくて買ったのに結局結構お金かかっている……という安物買いの銭失いの典型を地でいっています。

それでも懲りずに中古機材を買っていて、一番最近買った70-200 F2.8は本当に綺麗で内部の故障もありませんでした。運としか言いようがないので、買うときにはそれなりの覚悟をして買うことをおすすめします。

ちなみに数少ない、新品で買った機材は点検で異常が一度も見られていません。もちろん落としたり、雑に暑かったりなどはしていないのですが、ここまで差が出るのものなのかと、よく思います。

まとめ:撮りたい写真と、予算の相談をして機材を選ぶのがベスト

当たり前すぎる話ですが、購入する際の前提は予算になるかと思うので、撮りたい写真と予算を明確にして機材を選ぶのがベストだと私は思ってます。自分の予算感と、どんな写真が撮れるのか?を参考にしてもらえたらいいなと思ってこの記事を書き始めました。

私はあまり予算がない状態でスタートしたので、エントリー機からひとつずつレベルを上げてカメラを買い続けてきた経緯から、ことライブ写真を撮ることにおいて、一番下のモデルから買う必要はないという個人的結論に至っています。

もちろん初めからフルサイズを買う選択肢もありかと思います。(私の周りにはそんな大人もたくさんいます)しかし中には数十万かけて機材を揃えても「普段使う場がほとんどない」とぼやいている人もいるのが事実。個人的にはミドルクラスから買えばよかったとよく思うので、友人などに相談された場合は十万以下で買えるミドルクラスを勧めることが多いです。

私はライブ写真を始めた頃、身近に機材の相談をできる人がいなかったこともありこの記事を書いてみました。「ライブ写真を撮ってみたいけど、どこからはじめよう?」と悩んでいる人の役に立てば幸いです!