こんにちは、岡安です。(@itsumiokayasu)
最近やっとこアンテナvol.6を入稿し終えました。足がけ1年…いろんな方にご迷惑おかけしながらやっと印刷段階まで進んで本当にホッとしています。
ひとつ入稿が終わったから、次の冊子すぐ作る。
ライブ写真集めたzineを作ります。
— 岡安いつ美 (@itsumiokayasu) 2018年6月14日
また印刷が上がってきて配布が始まり次第いろんなところでお知らせしますので、どこかで手にしてもらえたら嬉しいです。
そして結構当たり前のように話をしていましたが、アンテナってフリーペーパー作ってる団体なんです。実は。知ってました?
今でもフリーペーパーを作るわけ
むかーしむかし。それは実に5年前くらいなのですが、編集長である堤とアンテナ始めよう!って話が盛り上がって初めに作ったのはフリーペーパーでした。ウェブでライターをしていた私にとって紙媒体って未知の領域すぎて、すぐに音読に修行しに行ったりしていました。今思い返すと23歳の頃の私の行動力って恐ろしかったなと思います。
フリーペーパーって……
- 取材からアウトプットまでタイムロスがある
- デザイナーが必要
- 入稿したら文字は修正できない
- 印刷にお金がかかるため、一冊出すときにかかる費用が大きい
- いいねもRTもされない、アナリティクスもない、本当に届いているのかが定量的に測れない
- かさばるし捨てられているかもしれない
っていう感じで手間暇も費用もかかるわりに、得られる実数値がなかったりするので手軽ではありません。
でも私たちはそんなフリーペーパーを愛してやまないんです。
だから時間がかかってでも新しい号を作りたかった。
その理由をよく考えます。別にフリーペーパーを作らなくてもいいような状況にまでアンテナを拡大してこれたと思っている反面、フリーペーパーの必要性はとても感じているのはなぜか?
私たちが普段過ごしているだけでは出会えない人たちに“アンテナ”を知ってもらえるチャンスができるから。これにつきます。
初めは作ったことに満足していたフリーペーパー作りも、やるからには反響が欲しいという欲がでてきました。消化のしどころのない承認欲求にまみれた毎日を送りながらvol.4くらいまで作り続けていました。身近な人たち以外からの反応をいただくようになったのはだいたいこの頃からです。本当に面識のない方や、音楽関係ではない人、年齢も性別も様々な人たちから「アンテナ、見たことあります!」と言われるようになったんです。自分たちでは誰に届いているかが明確にわからない、具体的な数字では結果が見えにくいものを始めてしまった絶望感を感じずにはいられなかったので、すごく不思議な感覚でした。
普段アンテナウェブ版を運営していると、100RTついたら「遠くまで届いた! 」という錯覚を覚えてしまうのですが、実はこれってそんなに遠くまでは届いていないんですよね。カルチャーを取り扱っていると特に感じるのですが、音楽、映画、アート、何をとってもお客さんではない人に情報を届けることがすごく難しい、ということ。いつまで経ってもカルチャー界隈のお客さんの母数はそんなに増えないであろう、ということが容易に想像できるんです。
でもフリーペーパーの場合は別でした。誰に届いているか定量的には測れないけど、着実に届いている。だから私はそのお客さんになりうる人たちとのタッチポイントを持ち続けたい、そう思いながらフリーペーパーを作り続けています。
オフラインコミュニケーションの無敵感
フリーペーパーは誰でも持って帰れるけど、持って帰るかどうかを決めるのも自分次第。口コミを調べて、その冊子の評価点数を知る必要はないですよね。だってフリーだから持って帰る人にはなんの損もないから。
もちろん直感で持ち帰るのもいいし、中身をじっくり読んでからでも構わない。持って帰るか、帰らないか悩んだ時点で持って帰ろうか!となる可能性があがるのはフリーペーパーの強み。そして持って帰るか否かは、その人が考えて決める。それって今の時代いい体験だと思うんです。選択のハードルの低さ、そこにフリーペーパーの無敵感があると私は信じています。(もちろん見つけてもらえるための導線(どこに置いてもらうかの設計)は大事ですけど)今の時代だからこそ、フリーペーパーがウェブメディアを運営している私たちに必要だと思う理由はそんなところにあります。
というわけで前段が長くなりすぎましたが、フリーペーパーを作る喜びをいろんな人に感じてもらいたい、何かを作った先にある目に見えない充足感を味わってもらいたい!と思ってアンテナとフリーペーパー専門店『只本屋』がタッグを組みイベントをすることになりました。その名も『TAKE OUT!! vol.2 – フリーペーパー つくろやないか。とりあえず –』!
一人でフリーペーパーを作れる人はもちろん、発信がしたいけどその手段が見つかっていない……という人や、フリーペーパーやZINEに興味があるけど何から始めたらいいかわからない!という方にオススメしたいイベントです。
当日は編集会議がメインとなります。冊子を作る上で重要な中身の話を実際に参加する方々に行ってもらいます。冊子ができるまでのプロセスの一部が垣間見れる1日になるかと思います。今回は京都にあるフリーペーパーの専門店『只本屋』の店長である山田さんにも編集会議のメンバーとして参加していただきます。日本全国のフリーペーパーを知り尽くした山田さんの思考に触れられる貴重な機会です。(私も参加したい…!)
東京にはこんなイベントがたくさんあるかもしれないですが、関西圏ではとても貴重な機会かと思います。現在多数の参加希望をいただいておりまして、残席わずかとなっております。気になっている方はお早めに参加表明をしてくださいね。
詳細は下記ページより!
まとめ
当日は出来たてほやほやのアンテナvol.6も持っていきますのでお楽しみに!フリーペーパーも順次京都市内を中心に配布を始めます。(配布してもいいよ!という神のような方がいらっしゃればぜひご連絡ください)
■instagramでほぼ毎日これまでに撮影してきた写真をアップしています。ぜひご覧ください!
https://www.instagram.com/itsumiokayasu
■カルチャーを発信するウェブマガジン・アンテナを運営しています。これまで書いた記事はこちら